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やりがいがありすぎて困る! 新作トレーディングカードゲーム『Xross Stars』開発の舞台裏

2025年8月に発売予定の新作トレーディングカードゲーム『Xross Stars』(読み:クロススターズ、略称:クロスタ)。第一弾では「Crazy Raccoon」「ぶいすぽっ!」「Neo-Porte」から総勢24名の人気タレントのカード化が決定しています。
本作の魅力は、人気タレントたちの“輝く瞬間”を切り取った美麗なカードイラストと、奥深い戦略性を持つゲームシステムにあります。
今回は、開発の中核を担うプロデューサーの久保 敦俊氏、アートディレクターの井上 拳斗氏、そしてプランナーの島 裕将氏に、『Xross Stars』の開発の舞台裏やゲームに込めた熱い想いを語ってもらいました。

魅力あるゲームシステムが、専門性の高いチームを集結

(プロデューサー)久保:このプロジェクトはかなり難易度の高いチャレンジになると最初から感じていました。見た目のクオリティに関わるアートの部分と、中身のクオリティに関わるゲームデザインの部分、そのどちらも最高の布陣で作り上げるために、仲間集めの段階からかなり奔走していました。
プロジェクトを始動するにあたって、まずはゲームデザインの仲間集めからスタートしました。リードゲームデザイナーには、業界トップクラスの経験を持つ八十岡さんにお声がけし、某スマホ向けカードゲームの開発経験を持つ清水さん、そして僕の3名でルールの根幹を作り上げていきました。

現在は、ルール設計を担うメンバーに加えて、テストプレイ専門の精鋭チームも立ち上がっています。日々のテストプレイには、カードゲームの世界大会で上位入賞した方など、業界でもトップクラスのプレイヤーたちが参加し、『Xross Stars』のゲームバランスを徹底的に磨き上げています。プランナーを務める島さんも、このテストプレイヤーチームの一員として活躍してくださっています。

※トレーディングカードゲーム(TCG):プレイヤー同士が自分で構築したカードの束(デッキ)を使って対戦するゲームです。戦略性の高さや、デッキ構築の自由さが魅力です。

(プランナー)島: 私は元々、久保さんとはポケモンカードの練習を一緒にする仲で、世界大会にも出ていました。前職は営業職だったのですが、ある日突然、久保さんから「最高に面白いカードゲームを作ってるんだけど、一緒にもっと面白くしないか?」と声をかけてもらいました。実際にβ版の『Xross Stars』をプレイしてみて、「これは今までにない新しい体験ができるカードゲームで面白い」と感じて、すぐにジョインを決意しました。

カードゲームが好きだからこそ、BO3(※)ルールの体験が面白かったですし、「推しのタレントさんの過去のシーンをカード化する」という発想も新しくて、ワクワクしました。これはTCGプレイヤーだけでなく、タレントさんのファンの方々にも楽しんでいただける要素だと感じています。

※BO3(Best Of 3):3番勝負の略で、ゲームや大会で、3試合のうち何試合勝つかで勝敗を決める形式を表します。

久保:アート面については、アートディレクターとして井上さんに参画していただいています。

(アートディレクター)井上: 僕は前職がゲーム会社で、スマホ向けのカードゲームのプランナーもしていました。このプロジェクトに参加する前に、僕もテストプレイをさせていただいたのですが、カードゲームとしての完成度が非常に高かったんです。加えて、タレントさんの過去の配信シーンなどを切り取ってカードイラストにするというコンセプトも、島さんと同じく僕もすごく面白いと感じました。日頃から動画や配信などを楽しんでいるファンの方々にとって、「あの伝説のシーンがカードになる」というのは、とても魅力的な発想ですよね。

アートとゲームバランス、開発現場の熱量とリアル

久保:日々の業務の中で、どういったところにやりがいを感じていますか?

井上: 本プロジェクトはとにかく制作物の量が多く、第1弾だけでもオリジナルイラストを150点以上制作しています。各IPさんと共に進めていく工程は大変でしたが、自分で設計した世界観がイラストレーターの方々の力で形になるという喜びは格別でしたね。

久保: 物量が多いからこそ、やりがいしかなかったんじゃないですか(笑)。

井上: いやー(笑)。でも、そうですね。イラストのコンセプトや、全体のデザインの方向性も見えていたので、デザイナーの方々への指示も出しやすかったです。「やりがいしかない」というよりは、「やりがいがありすぎて困る」といった感じでしょうか。作業量的には、とても一人でこなせる量ではないなと感じながらも、発表会での各カードやキービジュアルへの反応も非常に良かったので、本当に嬉しい限りです。大変だった甲斐があったなと感じています。

久保: ちなみに、アート担当として、特にお気に入りのカードはありますか?

井上:
難しい質問ですね…。思い入れがあるのはLRPP(リーダーカードの最高レアリティ)の、ひなのさん(ぶいすぽっ!所属・橘 ひなの)のカードです。

井上: 実はこのカードは制作スケジュール上、最初に完成したLRPPなんです。このカードがLRPPの品質基準となり、「このクオリティを維持しなければならない」というプレッシャーにもなりました(笑)。とはいえ、どのカードにも愛着があります。たとえレアカードじゃなくとも、発表会で公開した「汚部屋の住人」のような、少しネタ寄りのカードにもしっかり力を入れていますので、そういった部分もぜひ楽しんでいただきたいです!

久保: 島さんはどうですか?

島: 私はプランナーとしてゲームバランスの部分にコミットしています。カードゲーマーの視点からすると、ゲーム性が面白くないと長く愛されるゲームにはなりにくいと考えています。もちろんイラストが魅力的でコレクションアイテムとしてのクオリティも高いんですが、カードゲームとして物足りなければ、より多くのプレイヤーにご満足いただくのは難しい。そこで、カードゲームの競技シーンで培ってきた知識をルール設計やバランス調整に活かしています。

久保:実際に難しいと感じる業務はありますか?

島: 私は主にゲームバランスの調整業務がメインですが、特に注視しているのはタレントさんのバランス調整です。「タレントさんの差をつくらない」というルール設計のベースがあるので、プレイヤーがお気に入りのタレントさん4名だけでデッキ(※)を組んでも、ある程度ちゃんと戦えるようにしなければいけない。そのため、全てのタレントさんを一定の水準の中で細かく調整していて、そこが一番時間をかけているところですね。

※デッキ:プレイヤーが使用するカードの束で、戦い方や個性を反映させる要素。プレイヤーが自分で構築するのが特徴です。

久保: バランス調整は非常に難しい作業ですよね。

島: そうなんです。私は毎日テストプレイを行っているんですが、ルールは初期からかなり変わりました。チームに入ったばかりの頃はβ版の段階で、真っ白なカードに数字だけが書かれているような状態でテストプレイしていました。今はタレントさんの個性を反映しつつ、誰と組み合わせても楽しめるようなバランスに仕上がっています。

久保: そう、プロトタイプは本当に真っ白なカードでテストプレイしてましたからね。初期の頃と比べると、見た目はもちろん、ルールも大きく変わりましたよね。

島: 本当にそうですね。数字が書かれたシンプルな白いカードでテストプレイを行い、それぞれのタレントさんのメモリアやアタック、HPを調整し、強さのバランスを決めていくのは、とても骨の折れる作業でした。タレントさんの個性を活かしつつ、誰と組み合わせても楽しめるように、そして特定のタレントさんだけが突出して強くならないように、ゲーム性も意識しながらバランスを調整しました。

『Xross Stars』独自の戦略性と2大開発ビジョン

久保: 私は元々ポケモンカードを結構プレイしていたのですが、「再現性が高い」点に魅力を感じていました。運の要素も大きいのですが、ドローソース(※)が非常に強力なこともあり、60枚のデッキ構成で自分なりの勝ち筋を構築していけるんです。例えば、デッキに1枚だけ入れておく “ピン挿し” のカードをどう機能させるか。あるいは、主流ではないデッキ構成でも勝てるように戦略を練るのが好きでした。
『Xross Stars』は、そういった再現性と運のバランスの“中間”くらいを狙っています。
『Xross Stars』でも、ドローソースはゲーム性として比較的強力ですが、基本的に山札(※)をサーチする行為は発生しません。そのため、デッキ内に何が残っているか自分で把握しながら期待値を考慮して行動する必要があります。それが独自の戦略性を生んでいくんです。

※ドローソース:デッキの上からカードを引くこと。 ドローする効果を持つカードを「ドローソース(ドロソ)」と呼ぶ。
※山札:プレイヤーのカード束の山。山札からカードを引いてプレイする。

島: そうですね。例えば、デッキの中で強力なエースカードを序盤でたくさん引いてしまった場合、あえて早めに山札を掘り進めてデッキを再構成したり、逆にカードを引かずに温存して、終盤の山札を強く整えたりする。そうしたリカバリー戦略や山札構築の駆け引きなど、プレイヤーによって分岐が生まれるのが面白いところです。サーチもシャッフルもない、BO3でデッキを引き継いで戦っていくというのは、かなり独創的なルール設計だと思います。

そもそも、私が考える「面白いカードゲーム」というのは、やはり戦略性があり、遊べば遊ぶほど奥深さが見えてくるものです。『Xross Stars』には、BO1(Best Of 1:1本先取)とBO3(Best Of 3:2本先取)の2つのルールがあり、大会ではBO3が採用される予定です。その中で、ラウンドごとにプレイ体験が変わっていくのは、他のカードゲームにはあまりない特徴だと考えています。

久保: ルール自体はシンプルなので、初めての方でも一度プレイすればすぐに理解できます。ただ、やり込んでいくとどんどん奥深くなっていく。そういった「プレイの深み」を追求いただけると嬉しいですね。

島: はい。そして、『Xross Stars』は第1弾だけでもカードが100種類以上あります。第1弾では24名のタレントさんの中から自分の好きな4名を選び、エースカードという強力なカードを最大8枚まで選んでデッキを組めるという楽しさがあります。第1弾だけでも、さまざまな強力なデッキを組める環境が整ったのは、良い設計ができたと感じています。

久保: 先ほども軽く触れましたが、今回の開発でベースとして掲げていたルール設計のビジョンが2つあります。ひとつは「タレントさんの差をつくらないこと」。もうひとつは「カジュアルさと競技性の両立」です。どちらも理想ではありますが、実現するのは非常に難しいことですよね。

島: そうなんですよね。まず「タレントさんの差をつくらない」という点では、特に各カードのパラメーター調整に注力しました。メモリアやアタック、HP、そして覚醒時の能力。それらの細かい数値のバランスによって、各タレントさんの差を良いバランスに調整することを目指して、日々テストプレイをしていました。

第2弾になると、カードプール(※)が広がることで、第1弾のリーダーカードが使われなくなる可能性も出てきます。そういったことが起きないように、継続的にしっかりとテストプレイを重ね、バランス調整を行なっています。

久保: 好きなタレントさんを入れたデッキで、いつまでも遊べるように設計しているんですよね?

島: もちろんです。デッキのアーキタイプはエースカードを軸に構築されるので、タレントさんを入れ替えてもデッキが著しく弱くなるということがないように設計しています。とはいえ、「この組み合わせの方が強そう」といった相性の差はありますが、勝敗にほとんど影響のない範囲に収まるよう調整しています。
今後、第2弾、第3弾とカードを増やしていく中で、多くのタレントさんが活きる場面を作れるよう、引き続きバランス調整には力を入れていきます。

「カジュアルさと競技性の両立」という点では、カードゲーム初心者の方も親しみやすく、競技性を求めるプレイヤーにも満足いただけるような設計を意識しています。先ほども少し触れましたが、BO1とBO3という2つのルールによって、短時間でサクッと遊べるカジュアルさと、デッキ構成力や試合中の判断力が問われる奥深さの両方を実現しています。どんなプレイスタイルの方にも楽しんでいただける、間口の広いカードゲームを目指しました。

※カードプール:利用可能なカードのこと。カードの選択肢。

進化し続ける楽しさを! 『Xross Stars』が描く未来と、ファンへの約束

井上:正直なところ、『Xross Stars』は、今かなり特殊なチャレンジをしているという実感があります。今後はもっと「リアルタイム性」を高めたいと考えていて、理想は「この前の配信で起きた出来事が、もうカードになっている」と言っていただけるようなスピード感です。実現できるかはまだ分かりませんが、例えば、新たに加入予定のタレントさんのカードを、発表と同時にリリースするようなことにも挑戦したいですね。

久保:やりたいですね!柔軟に動ける体制だからこそ、これまでにないような楽しい仕掛けにも、今後は積極的に取り組んでいきたいですね。

井上: もちろん、現状では難しい部分も多いと思いますが、将来的には色々挑戦したいです。今後『Xross Stars』がさらに拡大し、ひとつのIPとして確立されていく未来に向けて頑張っていきたいですね。あとは、展示会なども開催できたら面白いですよね。イラストのクオリティには自信があるので、大きなサイズでじっくり見ていただける場所を提供したいです。

久保:めちゃくちゃ良いと思います。いわゆる大手のカードゲームメーカーさんと緊密に連携しているわけではないからこそ、フットワーク軽く、自由度の高い発想で、これから様々な面白いことを仕掛けていきたいです。

島: 『Xross Stars』は、一度プレイすればルールを覚えられるようなシンプルなルール設計になっているので、今までカードゲームをやったことのない方でも始めやすいと思います。一方で、カードゲームとしての読み合いやプレイ分岐など、TCGプレイヤーの皆様がハマってしまう要素も多く、奥深さもしっかりと兼ね備えているので、多くの方々に楽しんでいただけると思っています!

今後も第2弾、第3弾、さらにその先もずっと遊んでいただけるように、新しいカードを通じて新たな体験をお届けしていきたいです。もちろん、そのためにはゲームバランスも非常に重要なので、テストプレイヤーの方々と議論を重ねながら、これからも日々挑戦していきたいと思います!

新作トレーディングカードゲーム『Xross Stars』のブースターパック 第1弾『Luminous Daybreak』およびスターターデッキ『初の栄冠』『魔王降臨』は、2025年8月22日(金)より販売開始となります。

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