『ミナミイズミ 1st ONE MAN Live “この声が枯れるまで”』のオフィシャルレポートを公開

『ミナミイズミ 1st ONE MAN Live “この声が枯れるまで”』のオフィシャルレポートを公開

2026年2月28日(土)、無原唱レコード所属のシンガーソングライター、ミナミイズミが1st ONE MAN Live “この声が枯れるまで”を下北沢ReGで開催。1st EP『掴みたい光』を引っ提げた本公演は、デビューから1年未満でステージまで駆け上がった自身初のオフラインライブだ。

BUMP OF CHICKENが好き、そんな印象が真っ先に浮かぶ。彼女はとにかく歌うことが好きで、配信活動を通しても、愛くるしく歌にぞっこんである。それは歌声から立ち振る舞いまで、言葉は必要ないんじゃないかと思えるほど。そんななかリリースされた『掴みたい光』は、ただ歌が上手くて、作詞作曲ができて、だからこそこんなに早くライブが実現したんだというサクセスストーリーを歌っているようには思えなかった。そこに至るまでにどんな葛藤があって、ワンマンライブを迎えるのだろうか。そんな心持ちでライブ会場へと向かった。

フロアは身動きが難しいくらい満員だった。時間になると、少し重苦しいギターが響き、一瞬の静寂がフロアの時を止める。『Break through』の歌い出しと共に再び時間が動き出すと、フラッシュライトのような興奮が今目の前で起きていることへの判断を鈍らせた。少し間をおいて、慌てるように観客がライブの始まりを認識する。ライブまでの高揚感、そして、いざライブが始まって芽生える快哉を許さないようにミナミイズミの力強い歌声が鳴り響いた。表現者としての葛藤を映し出した『Break through』のメッセージが鋭利に耳をつんざく。

『掴みたい光』と同じスタートで初のワンマンライブが始まった。ミナミイズミのシルエットが音、歌と共に揺れ動く。観客は要所要所で手を上げたり、声をあげたりすることはあっても、ライブハウス特有のアクティビティはそこまで目につかなかった。とにかく聴き入っているのだ、うるうるとした目で。そんな光景が続く中で、2曲目『アイロニー』を披露。オレンジ色のスポットライトが温かさを助長するのと同時に、今度は少し落ち着いた歌声が鳴り響く。それでも歌声の力強さは圧巻だ。観客も曲にリンクするように左右に軽快に揺れ動く。

ここからはカバー曲でフロアを魅了していく。『曇天』『青のすみか』『おしゃかさま』『天体観測』のアッパーな4曲を間髪入れずに繰りだした。ステージ上のスポットライトも、楽曲に合わせてザッピングのように変化。彼女の声に乗ったエネルギーが、膨大にのしかかる。さらに、本人も語っていたようにデビューして1番披露してきたBUMP OF CHICKENの『天体観測』が流れ始めると、各々にライブを楽しんできた観客が手を上げて呼応する。フロア全体の一体感が生まれ、ノスタルジアのアンセムを初ライブのど真ん中で披露する光景は感動だった。「きっと歌うだろう」というファン目線の希望的観測ではあったが、いざ叶ってしまうと浅ましく衝動のままに身体を動かしたくなった。楽曲の雰囲気、そしてミナミイズミの活動のバックボーンが乗ったステージングに高揚感が溢れだした。

今目の前で起きている事実に対し、「数年かけて目指そうとした目標だった」と少し動揺したように話す姿が印象的だった。先ほどまでの躍動的なパフォーマンスを終えたばかりとは思えないほど、冷静に淡々と打ち明ける。楽しむところは楽しむ、伝えるところは伝える、このメリハリというか潔さも彼女の魅力だろう。とにかく歌含めたクリエイティブで物事を語っていくタイプという印象だったが、この日は以心ではなく、対話でも伝えようとした。その心意気は、のちの楽曲たちで絶大な効果を発揮する。MC後は、『プレゼント』『BABY STEP』『季節は次々死んでいく』で、今度はしっとりと聴かせるカバー楽曲を展開。

カバー楽曲のセトリを終わらせると、フィナーレまでオリジナル曲が名を連ねた。『心の残響』では、作詞作曲を手掛ける彼女だからこそのダイレクトな言葉が羅列する。バンドもそんな言葉の起伏に兼ね合わせるように演奏に緩急を与えた。すごく楽しいのに言葉は刺々しいというギャップ。音楽という表現のフィールドを限りなく発露的に寄せた楽曲は、ある意味シンガーソングライターの極地なのだろう。そして『ぐるぐる』『結晶』『諦めることを諦めたい』と、残されたEPのナンバーが解放されていく。親しみやすいキャッチーな『ぐるぐる』では、この日1番フロアが揺れた瞬間だった。コール&レスポンスなどアジテートも入れながら、フロアのボルテージを加速度的に上げていく。サビでは、みんなが円を描くようにぐるぐると手を振り、ぐちゃぐちゃになって騒いでいた。

ミナミイズミのライブは、老若男女幅広い観客が集まった。「このライブ、ほんまにたっくさんの方が関わってくださってお力添えくださって…」とファンも含め、数多くの人に感謝する。辛気臭い空間にはならず、逆に「だからこそ……」という方向へと持っていく。ライブ終盤にして、さらに自分自身を奮い立たせる人間性もミナミイズミらしさなのであろう。そこから赤裸々にこれまでの話、これからの話を語る。「大好きで始めた音楽なのに、歌うことが好きでずっと続けてたのに、歌うことが好きじゃなくなった時期があったりして」と好きだけでは続けていけない典型的ではありながらも強大な壁にぶち当たった話が印象的だった。それと同時に『掴みたい光』の一種のライナーノーツなのでは?という感覚になる。これは冒頭のサクセスストーリーではないという話の答え合わせも並行している。

「音楽活動を通して、自分自身の想いをみんなに届けていきたいと思います。」と最後はハッピーエンドを迎えた言葉でMCが終わる。そこから『結晶』『諦めることを諦めたい』が続き、最後には曲名が明かされていなかった『海を進む』が披露された。始まり同様、実質EPと同じ終わりを演出した粋なセトリだった。ライブの最後を、鬼気迫る弾き語りで終わらせるのもミナミイズミらしい。「それじゃ、また明日」という言葉と共にミナミイズミ初のワンマンライブは終演。表現者ならではの葛藤や障壁をよりリアルに、それでもしっかりと音楽に描写したEPをラッピングしたライブとなった。ライブを終えて、『掴みたい光』を聴きなおした時に、彼女は何を思うのだろうか。これから先、ミナミイズミは何を思い、何を伝えたいのか、何を私たちに見せてくれるのか、これからの作品が気になってしょうがない。これからも走り続けてほしい。

(文・取材:森山ド・ロ)

アーカイブ配信チケット好評発売中!

タイトル:ミナミイズミ 1st ONE MAN Live “この声が枯れるまで”
販売期間:販売中 〜 2026年3月14日(土) 23:59まで
視聴期間:2026年3月14日(土) 23:59まで
料金:2,500円(税込)
購入ページ:https://riotmusic-live.zaiko.io/e/konokoegakarerumade

1st EP『掴みたい光』について

タイトル:掴みたい光
アーティスト:ミナミイズミ
リリース:2026年2月18日(水)
販売形態:豪華盤/通常盤
各種配信サービス一覧:https://nex-tone.link/A00212407

<収録曲>
01. Break through
02. 諦めることを諦めたい
03. ぐるぐる
04. 心の残響
05. 結晶

ミナミイズミ(IZUMI MINAMI)プロフィール


年齢不詳のシンガーソングライター。
学生時代、歌とギターに打ち込む日々が、自分にとってかけがえのない時間だった。
これまで数々の楽曲に心を救われてきた経験から、自らが「自由」な音楽で誰かの背中を押してあげたいと思うようになる。
その夢を叶えるために、RIOT MUSICへの所属を決める。

<公式リンク>
YouTube:https://www.youtube.com/@izumiminami/
X:https://x.com/minami_i_MGS/
TikTok:https://www.tiktok.com/@minamiizumi_1013/

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