わずか1年足らずで14件のコラボ企画を実施、42種類もの製品を世に送り出した「AMICIS」。
急成長を遂げた背景には、少数精鋭チームが実践する“常識外れのスピード感”と、製品に宿る“徹底した品質へのこだわり”を追求する職人魂にありました。
ブランド名に冠した「仲間」というキーワードのもと、クリエイターやアニメ版権会社、製造工場を巻き込みながら、世界へと挑み続ける。
今回は、チームの最前線に立つ渡辺(プロデューサー)・森坂(開発ディレクター)・早坂(クリエイティブ・ディレクター)の3名に、インタビューを実施しました。
「仲間とともに」をキーワードに、愚直なモノづくり
株式会社Game & Co.が展開するブランド「AMICIS(アミシス)」は、ラテン語で「仲間・友人」を意味する『amicus』に着想を得て名付けられました。
このブランド名には、「仲間」を巻き込み、一つのチームとして最高のプロダクトを創り上げたいという強い想いが込められています。
── 「AMICIS」のブランドに込めた思いについて教えていただけますか。

渡辺:AMICISは、知らない人と作るようなコラボプロジェクトにはしたくなかったんです。自分の友人やその知り合いなど、縁を大事にするプロジェクトにしたかった。
ブランド名も「仲間と一緒に何かを実現する」ことを連想するようなものにしたいと考えていました。色々探す中でラテン語の『amicus(読み:アミカス、意味:仲間・友人)』というのが出てきて、響きも気に入ったんです。そこから着想を得てAMICISという名前にしました。
「仲間」には、コラボ相手だけではなく、工場やメーカー、もちろん僕たちも含めた、いろんな仲間を巻き込んでワンチームで作るブランドにしたいという意味を込めています。
森坂:特に他の候補もなく、スパッと決まりましたよね。
渡辺:そうですね。悩んだり、いくつか候補を考えたりはしなかったです。僕たちはブランド名だけではなく、色んな場面でスピード感を重視しています。
森坂:僕たちはこれまで小売の経験がなく、メンバー全員が未経験なので、できることはもう全部チャレンジしています。
渡辺:はい、とにかくPDCAサイクルを回すスピード感を大事にしています。

森坂:企画、実行、そして振り返りと反省も、爆速で回しています。やってみなきゃ分からないことも多いので、とにかくクオリティとスピードを大事にしています。
渡辺:大体やれば、なんとかなっちゃうんですよ。とにかく意思決定って、究極のところやるか、やらないかなので。そのうえで、やらないってことを選ばないように工夫をしてます。
森坂:技術的な部分で本当にできるのか?みたいな場面は何度かあったのですが、終わってみると意外とどうにかなりました。
ここまでやる?10以上のコラボに、妥協のないクオリティバランス
少数精鋭で14のコラボ・42種類の製品開発を実現しているのは、迅速な意思決定と明確な役割分担、そして何より妥協なきプロダクトへのこだわりによるもの。
クリエイターの熱意に職人の熱意が応えて、クオリティを磨き上げています。
── それにしても、これだけの実績を少数精鋭で実現しているのはすごいことだと思います。秘訣を教えていただけますか?

渡辺:企業秘密・・・と言いたいところもあるんですけど、実際のところ製品づくりについては、愚直にやっています。僕がコラボ相手を決め、森坂さんが製造・工場とやり取りを進め、最後に早坂さんが広告デザインなどのクリエイティブ周りを担当する。
森坂:僕たちはとにかく少数精鋭で最速に進めています。
渡辺:これができるのはBrave groupの強みでもあると思います。バックオフィスや広報のような領域を支えてくれる人たちがいるので、僕たちはプロダクトづくりに集中できるんです。
弊社が手がけているXross Starsも同様ですが、事業に集中するためのサポートがあるのはBrave groupの強みであり、カルチャーだと思います。
── 製品づくりにおけるこだわりと、コラボする上で難しかったことを教えて下さい。
森坂:「こだわって作りたい」という思いは、皆さんとても強いです。どれだけそのこだわりが実現できるか、工場と繰り返し交渉しています。
渡辺:理想通りにできるまで交渉しますし、そのこだわりを実現できる工場を選定しています。

森坂:AMICISの製品づくりは、大前提として性能・機能面でしっかり使えるクオリティ担保を重視してます。そこに、活動されているクリエイターさんやIPのこだわりが加わります。そして工場側にも当然、ここは妥協したくないという美学があります。僕はそこのバランス調整をしています。
渡辺:クオリティが高ければ良いというものでもないしね。
森坂:そうですね。良いものを全部入れたら、当然ながら価格が無限に上がっていくので。
「性能を良くしたいけど、同時に安くしたいです」っていう要望は難しいですね。
でも、コラボする皆さんはファンの方々にちゃんと届けたいという熱意があるので、できる限り頑張っています。
渡辺:正直、普通だったら諦めるところでも、僕たちは結構限界までバランス調整していますね。狂気的だと思います。
クリエイターがやりたいことを何より最優先したいので、「こうした方が良い」みたいなことは、マーケティング的には正しかったとしても言わないようにしています。森坂さんは間に入って、うまくバランスを調整してくれています。
森坂:例えば、キーボードで難しいのがデザインの仕様策定です。
クリエイターさんは、皆さん本当にこだわりが強いです。
紙に描くことと、製品化することにはギャップがあります。色味や加工のエフェクト、エフェクトの光らせ方、線の細さみたいなものは、どうしても緻密に実現できないことがあります。
『ナナイロ』という言葉を本人の活動に取り入れているカグラナナさんは、色に対する熱意とこだわりが特別に強かったです。キーボードキャップのグラデーション発色があんなに綺麗に出ているのは、奇跡とこだわりの結晶です。工場の方も、何度も試行錯誤してくれました。
普通なら使わないような、高価な染料を使用したり、様々な手法で工夫したそうです。
渡辺:購入される方に、そこまでのこだわりは伝わらないとは思います。ですが、僕たちはこういうクリエイターさんと工場の熱意あふれる職人魂をとても大事にしています。
目と目で話して仲間を見極め、言葉の壁をも超える
AMICISのメンバーも、工場も、クリエイターも、誰一人妥協しない。
言語の壁をも突破する、熱意と狂気で、仲間との絆を製品づくりに昇華している。
── 工場とのやりとりで心がけていることはありますか?
森坂:海外の方が多いので言葉の壁があるのですが、とにかく妥協しないことを大事にしています。伝わるまで何度でも繰り返し伝え続けています。
渡辺:工場もなかなか狂ってますよね。外国人の僕たち相手に、よく着いてきてくれると思います。
森坂:本当にそうですね。熱意を内に持っている方は、やはり熱意に共感してくれるんです。なので、僕たちも常にその熱意にふさわしい職人魂で応じる必要があります。

渡辺:もう工場選定の段階で熱意と職人魂で選んでますからね。僕たちは、己の目しか信じていないです。今お付き合いしてる工場は、自分たちで独自にリサーチして仲間になれると見極めたところです。
森坂:渡辺さんは現地の方にすぐ会いに行くんですよ。
渡辺:こういうのって、会議とかメールじゃわからないと思っています。目と目を見て話してご飯を食べて、初めて人となりが分かると考えているんです。当然工場見学にも行って生産体制や工場理念なども伺います。ここなら絶対に良いものができるっていう相手と仲間になりたいんです。

森坂:僕の提案に対して「できるよ」と言うだけの方々は多いです。でも職人気質な工場だったら、できることであればもっとこういうやり方があるよといった提案や、提案通りにできないことであっても他の方法を考えてみるっていう回答をしてくれる。
こだわり抜いている工場はそういったコミュニケーションでわかります。そうして製品ができて、最後に広告クリエイティブを作っていきます。早坂さんはAMICISを立ち上げてからすぐに参画されたので、すごく大変だったと思います。
早坂:まあ、そうですね。ちょうどコラボが重なっていて、大変な時期にジョインしました。いまは渡辺さんと森坂さんに助けてもらって、ようやく自分のペースでみんなと連携しながらできているのかなと思ってます。
AMICISの目指す「販路拡大」「世界への挑戦」
AMICISのモノづくりに限界はありません。「やる」か「やらない」の二択なら、やる。
熱意と狂気の結晶で、日本から世界へと挑戦し続けます。

── 今後やりたい製品や展望はありますか?
渡辺:コラボ相手のやりたいことを実現するブランドなので、どんな製品でも「できません」とは言わないようにしています。
今後の展望は、AMICISを今よりさらに世界に届けることです。
これまでもcolleizeやBrave storesを通してアジアを中心に越境ECや海外出店などを行ってきましたが、今後はさらに拡大し、欧米圏の販路も開拓したいと思っています。
森坂:広告デザインも早坂さんが今後ローカライズしていくので、これから早坂さんは大変になりますね。
早坂:はい。イラストとかキャラクターっていうのは言語の壁を飛び越えて伝わると思っているので楽しみです。
森坂:早坂さんは、推しとファンの繋がりやその作品そのものをとても大事にしていますよね。
早坂:そうですね!配置や余白、視線誘導、世界線、世界観、作品の色合いなど、アニメやクリエイターのクリエイティブへのこだわりを大事にしています。
コラボするクリエイター本人(推し)とファンの繋がりは、国境を超えるものだと思っているので。海外展開に向けて、今後も世界中のファンの皆さんの視点に寄り添ったクリエイティブをお届けできるといいなと頭を巡らせています。
渡辺:この1年のノウハウをより広げて、海外のコミュニティを開拓していくことにもさらに注力したいですね。
【AMICISコラボ実施アンケート】
AMICIS初のコラボ製品『ガラスマウスパッド』を発売し、第二弾として『ゲーミングキーボード』、そして新たに『ガラスマウスパッド』を制作したカグラナナさんに、インタビューを行いました。

1)ファンにグッズを届ける時に大切にしていることはありますか?
自分が好きなポイントだけでなく、「こういうのだったら使いやすいだろうな」という目線でもデザインを試行錯誤しております。
2)最初にガラスマウスパッドを発売するとき、どのような要望がありましたか?
こちらからの要望は特になく、 ブルーが特に映える、との事でしたのでカグラナナとしてはロングヘアが綺麗に入るようイラスト制作を意識した覚えがあります。
3)ゲーミングキーボードについてはいかがでしょうか?
ゲーミングキーボードをいつか作りたいなとおもっておりましたので、カラーリングや、性能などもかなりこだわって制作に取り組んでいただきました。
4)今後どのようなものをファンに届けたいですか?
国境を越えて愛用されるようなデバイスを出していきたいです。 ゲーミングデバイスに限らず、みんなのお部屋をナナイロに彩れるようなものを…!