
2023年4月設立の株式会社ENILIS(以下、ENILIS)は、Brave groupのグループ会社としてわずか2年で所属タレント数が200名を超える規模に成長しました。2025年4月にはMateReal株式会社とbrossom株式会社との経営統合を行い、5月には既存の6つのVLiverレーベルを「ENILIS VLiver Project」として再編。VLiverとVTuberの両輪で事業を展開する当社の強みを活かし、事業規模を大きく広げています。
今回は、取締役の菅野 一成と第1VTuber事業部 部長の大石 裕紀に、ENILISの取り組みや今後の展望について語ってもらいました。
株式会社ENILIS 取締役
菅野 一成(左)
学生時に飲食事業を展開する企業にて飲食事業の国内外店舗立ち上げを経験。新卒で大手エンタメ企業に入社し、新規事業の企画および立ち上げ等を幅広く担当。その後、フードテックベンチャーに転職。PR・マーケティング責任者を経験した後、自身で海外アパレルEC事業を運営する会社を設立。事業売却の後、2023年1月に株式会社バーチャルエンターテイメントに入社。同年4月に株式会社ENILISの設立に併せて転籍し、部長として新規事業企画および事業推進を担当。2024年4月に取締役に就任(現在)。
株式会社ENILIS 第1VTuber事業部 部長
大石 裕紀(右)
大学卒業後、建設機械メーカーでの法人営業を経て、クリエイター支援・コンテンツ制作事業を手がける企業へ転職。YouTuberのチャンネル運営やタレントマネジメント、新規VTuberプロジェクトの立ち上げに従事。2023年11月にENILISに入社し、2024年10月に第1VTuber事業部の部長に就任(現在)。
──菅野さんは元々「ぶいすぽっ!」を運営する株式会社バーチャルエンターテイメントに入社されていますが、どのような流れでENILISに転籍したのでしょうか?
菅野:まずバーチャルエンターテイメントにジョインする以前は、海外のアパレル商品を取り扱うEC事業と輸入食品の卸売販売事業を運営する会社を経営していました。縁があってその会社をバイアウトし、次の挑戦を探していたところ、知人からVTuber業界をおすすめされたことで興味を持ち始めました。
その中でも、未上場かつ会社として急成長フェーズにあるBrave groupなら、これまでの経験も活かせるのではないかと思い、新規事業開発担当を募集していたバーチャルエンターテイメントに応募し、代表取締役を務める星 崇祥(以下「星さん」)さんの面談を受けました。
菅野:最終的な決め手は、星さんとの会話が面白かったということが大きく、「この人と一緒に仕事をしてみたい」と思ったことです。それからジョイン初日に星さんから第一声「VLiver事業のPLをたたいてほしい」と依頼され、事業計画書を作成して提出しました。その1〜2ヶ月後には、新会社を設立してそこで正式に事業化することが決まったので、ENILIS設立と同時に転籍したという流れですね。
──凄いスピード感ですね。以前からVLiverに関する知見があったのでしょうか?
菅野:VTuberは知っていましたが、VLiverに関しては市場をあまり理解していませんでした。星さんから進め方については細かな指定がなかったので、まずは市場リサーチから始めるという形で事業計画を作っていきましたね。
実はその間、VLiver事業以外にも新規事業の計画をいくつも作ったのですが、スピーディーに事業化まで漕ぎ着けたのがVLiver事業だったという感じです。入社から一定期間は、ひたすら新規事業計画を作り続ける日々で、市場や事業に対する理解が深まったので、かなり有意義な期間だったと今では感じています。
──2023年4月にENILISを設立し、VLiver事業「HareVare」の始動を発表。同年7月にはVTuberプロジェクト「Vlash」と「ゆにれいど!」の構想を発表しましたよね。この構想に至った経緯を伺えますか?
菅野:「HareVare」は、VLiverとしての活動の先に”Brave groupのVTuberプロジェクトでのデビュー”を掲げていました。リリースに向けて準備を進める中で、「せっかくならVTuberとしてデビューできる可能性をより高めた方がいいのでは?」という意見が上がったんです。
加えて、本人の意向に沿って選択肢を広げたいという思いもありましたし、当時は男性を含むVTuberプロジェクトがBrave groupに存在していなかったので、「それなら、男女含めた所属VLiverのデビュー先をENILISでも一緒に描いていこう」となり、VTuber事業にも取り組むことを決めました。
そこから、バーチャルとリアルの両軸で活動する「Vlash」と、異世界VTuberプロジェクト「ゆにれいど!」の構想に繋がっていったという感じですね。
──大石さんが入社されたのは「Vlash」1期生がデビューして間もないタイミングでしたが、何かきっかけがあったのでしょうか?
大石:前職では、YouTuberのマネジメントやチャンネル運営を担当していました。その中で、元々ゲームが好きで、VTuberやストリーマーの配信をよく観ていたこともあり、社内で立ち上がった新規VTuberプロジェクトに現場責任者として関わることになったんです。
色々と大変なこともあったのですが、運営側として携わってみて改めて「VTuberって面白い」と思い、より大きなスケールでVTuber事業に注力したいと考え、転職を考え始めました。
──Brave groupは国内外で数多くのVTuberプロジェクトを展開していますが、その中でENILISにジョインを決めた理由は何だったのでしょうか?
大石:カジュアル面談の次に、代表取締役の星さんとお話しすることになり、最初のアイスブレイクの中で当時の仕事内容や、仕事へのスタンスをお話しさせていただいたところ、面談開始早々に「オファーします」と言っていただいたんです(笑)。少し雑談したぐらいだったので驚きましたが、その即断即決のスタンスや意思決定のスピード感がすごく面白いなと感じました。
それから、自身のキャリアプランとして、新規事業の立ち上げや経営者になることを見据えた経験を積みたいという話をしたら「そういう方は大歓迎だし、むしろそういった目標を持っている方に来てほしい」と言っていただいたので、「これはもうぜひ入りたい!」と思い、ジョインを決めました。
──実際にジョインしてみて、ギャップなどはありましたか?
大石:意思決定のスピード感は本当に早いですし、持たせてもらえる裁量の大きさや抜擢のスピード感も他にない環境だと感じています。私自身、スタッフのポジションで入社してから約1年で部長まで昇格させていただき、本当にありがたいなと思っています。
ギャップといいますか、大変だったのは、最初に配属されたのがVTuber事業ではなく、“VLiver事業”だったことですかね。当初はVLiverやライバーの配信プラットフォームの知見が全くなかったので、市場や運営方法を理解するのに苦労しました。
── “VLiver事業” の方に配属した理由はあったのでしょうか?
菅野:ENILISで働くメンバーには、一人ひとり違った特性があるのですが、当時VLiver事業をメインで担当してくれていた方は、ライバーのマネジメント経験も豊富かつ、行動力や瞬発力に優れていました。
一方で、大石さんは、VLiverに関する経験はありませんでしたが、細部まで全体を見渡し小さなリスクにも丁寧に対応しながら物事を進める力に優れていたので、チームを組めばバランスが取れて、うまく回るんじゃないかと考えて任せました。実際、細かな指示がなくても、しっかり運営してくれていましたね。
──見事な采配ですね。大石さんは約1年で部長に昇格されましたが、ENILISではどんなスキルやマインドが評価されるのでしょうか?
菅野:ポジションに関係なく全員の評価で当てはまるのは、“自走力” ですね。ここまでVLiverとVTuberの両輪かつ複数のプロジェクトを運営してこれたのは、自分で意思決定する範囲と上司に意思決定してもらう範囲をうまく切り分けながら、一人ひとりが自走し続けてきたからだと思っています。
リーダー以上の方には、さらに圧倒的な自走力が必要だと思っていますし、単純に自走力があるだけでなく、“人を巻き込む能力がある”というのもすごく重要だと思っています。自分だけが自走しているだけでは少し足りなくて、人間力みたいなところで周囲から評価されるとENILISではうまくワークするのかなと思いますね。
菅野:私自身、“前職の自営業” と “企業の一社員” では立ち回りが異なるものだと認識していたので、ジョインした当初は今よりも自走力がなく、ロゴを一つ作るにしても星さんや周囲にお伺いを立てていましたし、細かい意思決定も自分で判断できずにいました。でも、それだと意思決定までにどうしても時間がかかってしまい、事業のスピードが鈍化してしまうんですよね。新規事業にとってスピード感は非常に重要ですし、私自身「より早く、事業を前に進めたい」という気持ちが強かったので、可能な範囲で自分で意思決定し、事業を進めるようになりました。
そして現在では、事業数も社員数も増え、私自身がすべての事象に細かく介入することも難しくなってしまったので、今期を迎えるにあたり「自分で考え、決めて、進めることを意識してほしい。必ず自分の意見を持って運営やタレントと議論してほしい。」と、全メンバーに伝えました。
それ以降、各メンバーが自分たちで考え、議論し、「こういう方針で行きたいです!」というような形で意思を持って報告してくれることがかなり増え、自分たちの力で事業を推進する力が、さらについてきたなと感じています。
──“人を巻き込む”という点で、大石さんが意識されていることはありますか?
大石:菅野さんとバランスをとりながらマネジメントをしていく、というのは心掛けています。ENILISのメンバーは本当に仲が良く、時に気が緩む場面もありますが、そこは菅野さんがしっかり引き締めてくれる。だから私はなるべくメンバーとは親しく接するように心がけています。もちろん、細かくチクチク言うこともあるので、口うるさいなと思われているかもしれないですけど(笑)。
全員と平等に、同じ温度感で雑談も真剣な話もする。というバランスを調節しながら、日頃から密なコミュニケーションを重ねていくことで、一人ひとりを巻き込み、一体感や団結力を作っていけるようにしたいと思っています。
菅野:ENILISに限らずですが、タレントがいる事業を行う上で、マネジメント能力の高い人間が管理職になるべきだと私は思っています。結局、何かあった時に「タレントや社員たちの責任を負える立場」=「管理職」だと考えているので、人のマネジメントが得意というのは大きな強みだと思いますし、キャリアを伸ばす上で重要なスキルなのではないでしょうか。
──ENILISとしての今後の展望を教えてください。
菅野:MateRealとbrossomの2社がジョインしたことで、ENILISではVLiverとVTuberの両軸で4つのプロジェクトを運営することとなり、よりコングロマリットな組織になったと感じています。いわば“ミニBrave group”のような状態だと思っていて、ここからの1〜2年で、組織としてどれだけ各事業をスケールさせられるかが重要だと考えています。
そもそも新規事業を成功させることは難易度が高いことではありますが、各社のナレッジや個々のスキルを共有しながら、まずはしっかりと売上と利益を創出し、組織的な成長を図っていくことが来期の目標ですね。
──組織強化が求められる中で、現状の課題や求めている人材についてはいかがでしょうか?
大石:ENILISはプロジェクトの規模や数に対して、運営の人数がかなり少ないと思っているので、常に即戦力となるような人材を求めています。また、今後も機会があれば、新規事業にも積極的にチャレンジしていきたいと考えているため、既存メンバーやこれからジョインしてくださる方々には、どんどん裁量を渡し、任せていきたいと思っています。
それこそ、0→1で新規事業を立ち上げた経験や、それを推進した経験のある方が加わってくだされば、組織も事業もさらに拡大していけるんじゃないかと思っていますね。
──最後に、お二人自身の展望を伺えますか?
菅野:現状、Brave groupを牽引しているIP事業は「ぶいすぽっ!」ですが、ENILISでもそれに追随できるような事業を創っていきたいと考えています。新規事業をしっかりとグロースさせ、売上と利益を上げることができるようになった時に、ENILISがやってきたことの価値が、定量的にも定性的にも本当の意味で証明されると思うんです。そしてその時が、チームのメンバーにとって「自分たちの功績」として誇れる瞬間になるはずなので、それを創ることが個人的な目標ですね。
大石:私としても、「Brave groupといえば」と言われて想起されるようなプロジェクトをENILISでも創っていきたいと思っています。また、個人としては「大石がいたからこれができたよね」と言ってもらえるような存在になれたらと思っていますし、チームのメンバーはもちろん、ファンの皆さまとも「私たち頑張ったよね!」と一緒に胸を張って言えるような会社やプロジェクトを創っていきたいなと思っています。
※この記事の内容は、2025年5月取材時点のものです。
株式会社ENILIS 採用情報
ENILISは、「もっと自由なエンタメを」をコンセプトに掲げ、個性豊かなバーチャルタレントの創出とマネジメントを行っています。バーチャルタレントそれぞれが自分らしく、夢を持って自由に活動ができるような幅広いプロデュースを行い、日本が誇る漫画やアニメと同じように、エンタメ文化の拡大に挑戦しています。
・HP:https://enilis.co.jp/
現在ENILISでは、さらなる事業成長に向けて積極的な採用を行っています。
募集中の職種は、下記の求人一覧ページ(こちら)からご確認ください。
注目の募集職種
・新規事業開発 担当:こちら
・タレントマネージャー:こちら
・VTuberコンテンツディレクター:こちら
・VTuberデスク事務:こちら
直近のプレスリリース
・ENILISがHareVareとbrossomを統合し、「ENILIS VLiver Project」を始動!(2025年5月1日)
・ENILIS、MateRealとbrossomを吸収合併し新経営体制へ(2025年4月1日)
・ENILIS、バーチャルタレントプロダクションのbrossomと経営統合(2025年1月31日)
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