バーチャルエンターテイメント応募者第1号からGame & Co.取締役へ。経験を繋げた「コネクティング ザ ドッツ」

バーチャルエンターテイメント応募者第1号からGame & Co.取締役へ。経験を繋げた「コネクティング ザ ドッツ」

株式会社Game & Co.取締役の久保敦俊さんは、開成中高から慶應大学、そしてサイバーエージェントに新卒で入社しましたが、「カードゲームのプロプレイヤー」になるために退社。その後いちから(現:ANYCOLOR)株式会社から、まだ人数の少ないバーチャルエンターテイメントへと異色のキャリアを築いてきました。

バーチャルエンターテイメントに「直接応募採用の第1号」として入社後、圧倒的なスピードで新規事業を連発。現在は、Game & Co.の取締役を務めながら、「Xross Stars」をはじめとする複数事業を牽引しています。今回は代表・野口との対談を通じて、点在していたキャリアが結びつけた「コネクティング ザ ドッツ」と、その先に見据える未来について、お二人に語ってもらいました。

Brave group 代表取締役CEO

野口 圭登

2011年の在学中に株式会社Vapesを創業。2016年に同社を株式会社ベネッセホールディングスへ事業譲渡し、50社以上のスタートアップへのエンジェル投資、共同創業を経て、2020年に株式会社Brave group代表取締役に就任(現任)。

株式会社Game & Co. 取締役

久保 敦俊

開成高等学校を卒業後、慶應義塾大学総合政策学部に入学。 在学中の2015年より株式会社サイバーエージェントにジョインし、esportsブランド「RAGE」において「RAGE Shadowverse」の立ち上げや大会運営責任者、プロリーグの設立に従事。 その後、いちから(現・ANYCOLOR)株式会社や外資系ITベンチャーで新規事業に従事。2019年からはポケモンカードのプロ活動も約5年ほど経験。 2023年10月に株式会社Game&Co.の取締役に就任、esports教育事業「CR Gaming School」やデバイス事業「AMICIS」、ぶいすぽっ!IPを利用した「VSPO! GEAR」の企画開発、新作TCG「Xross Stars」のプロデューサーなど多数の新規事業を管掌。

バーチャルエンターテイメントへの応募者第一号から、株式会社Game & Co.取締役へ

野口:久保さんの面接の際、星さん(取締役 専務執行役員 CINO 兼 バーチャルエンターテイメント代表取締役)から「凄い面白い子が来た」って言われたんですよ。

久保:そうだったんですね。僕はたまたま「ぶいすぽっ!」を調べていたら、ホームページで求人情報を見かけて、そのまま応募したんです。

野口:バーチャルエンターテイメントの立ち上げ当時は、リファラル採用が多かったので、求人経由の応募から採用に至るケースはほとんどなかったそうですね。直接応募者でいうと、第1号社員じゃないかな。確か、久保さんは前職ANYCOLOR(当時:いちから)さんに所属されていて、新規事業を主に担当していたんですよね。

久保:そうですね。その時に「ぶいすぽっ!」を知りました。esportsとVTuberのシナジーがあるプロジェクトなら、自分の経験を活かせそうだと考えてました。

野口:とはいえ、当時は従業員が数名しかいない状態でしたし、そのタイミングで応募するのは、かなり思い切った決断だったんじゃないですか。当時のオフィスも、言葉を選ばなければ倉庫みたいな場所で。残業していると誰かが夕食を作って振る舞うような、カオスな状況でした。

久保:正直、「思い切った決断」という感覚ではなかったですね。面接で伺った時のオフィスの雰囲気も、Googleがガレージ創業したような雰囲気を感じたので、むしろ「めちゃくちゃ楽しそうだな」と思ったんです。

星さんとの三次面接で「まだesportsチームは二名しかいない」と聞いて、僕としてはすごくいいなと。「ザ・ベンチャー」な手触りのある会社で働きたかったので、めちゃくちゃテンションも上がったくらいです。

三次面接の終わりに星さんから「うちの会社は近くBrave groupにジョインすることになっているので、代表の野口とも面接をしてほしい」と言われたんです。最終的に、五次面接までありました。従業員数名の規模でそこまであることには驚きましたが、採用について真剣にコミットしてくれていると感じました。

野口:面接の時の印象は、高学歴で、サイバーエージェントを経験し、ANYCOLORさんの成長過程も見てきた、とてもピカピカした若者だという印象でした。一方で、当社は雑多な状況下でしたし、久保さんが楽しめるようなキャリアを僕らが提供できるのかという不安もありました。

久保:そうだったんですか。雑多な状況だからこそ楽しみに思ってました。というのも僕は慶應SFCという、少し風変わりで面白い学部の出身だったんですが、卒業式に学長が「常にカオスな選択肢を取れ」と贈ってくださったことを、今でもよく覚えています。それ以来、人生で選択を迫られるたびにその言葉を思い出しているので、迷いはあまりなかったです。

サイバーエージェントは「メガベンチャー」と言われるように、従業員数がとても多く、めちゃくちゃ良い環境だったんですが、後にANYCOLORに入社した時に、ベンチャーとはどういうものかを実感しました。

ANYCOLORの入社してからの成長速度は非常に早く、従業員が2倍ほどになったタイミングで転職活動を始めました。もっとカオスな環境でキャリアを積みたい渇望があったのです。

当時のバーチャルエンターテイメントの従業員は10名ほどで、オフィスの雰囲気もワクワクするような、「ザ・ベンチャー」を感じたんです。「ここならもっとカオスで面白い経験ができそうだ」と飛び込みました。

野口:整備された環境を経験したからこそかもしれませんが、「ザ・ベンチャー」な場所のワクワク感っていうのはわかります。加えて、混沌としている環境には、新しいものを生み出していく「外れ値」があるんですよね。

久保:そうですね。サイバーエージェントという、整った環境、かつ挑戦を許容してくれる場所で新卒のキャリアを積めたのは最初の土台としてすごくよかったです。

そしてベンチャーみたいな圧倒的スピードでドンドン新しいものを生み出していく環境下で自身のキャリアを積めたのも振り返ってみるととても良かったですし、カオスを選ぶことで大きなものを得られたと思っています。

「何でも屋」として広範囲の整備をしながら、圧倒的スピードで事業を生み出す

野口:バーチャルエンターテイメント入社後はどういう業務を行っていたんですか?

久保:バーチャルエンターテイメント入社当初は、社内はまだまだカオスな状況でしたので、とにかく広範囲に渡る業務の「なんでも屋」としての役割と、「新規事業の創出」をタスクとして与えられていました。

僕は初めてバーチャルエンターテイメントのホームページを見た時に、ミッションとして掲げている「Move Emotion with Games」にすごく共感したんです。

このミッションが好きで入社したくらいには、この言葉に共感をしています。

それで、入社後すぐに会社HPを刷新するタイミングに、VEのロゴと感情を動かす様子を組み合わせた画面遷移時のトランジションを実装しました。心電図のように心が動く様子を表現しています。今もHPで見られるので、是非見て欲しいです。

実際のトランジション

久保:他にも、ぶいすぽっ!のECサイトのワイヤーフレーム、グッズのカスタマーサポートや発送業務の効率化、ぶいすぽっ!の冬コミ広告や、VALORANT Masters Tokyo 2023でぶいすぽっ!が公式応援アンバサダーになった企画など、さまざまなプロジェクトと、番組動画の進行なども手伝っていました。

野口:入社直後から、久保さんはとにかく守備範囲が広かったんですね。

久保:そうですね。さらに、並行して新規事業推進も担当しました。
まずは新規事業として、esportsのオンライン教育カリキュラムのサービス立案を引き継ぎました。その後ピボットし、RIZAPのesports版のような思想でマンツーマンコーチングに特化したサービスへと再編しました。これが現在展開しているCR Gaming School(以下、CRGS)のサービスです。
そして、2022年に株式会社Game & Co.(以下、Game & Co.)を新設しました。当初、CRGSをリリースして半年くらいのことです。

野口:思い起こすと、当時バーチャルエンターテイメントがまだカオスな状況下で、すぐに馴染んで手広く推進されていた印象でした。Game & Co.の立ち上げ後も、新規事業を多数生み出しましたよね。

久保:そうですね。振り返ると、とんでもないスピードです。でも、僕自身の今までの経歴が様々な場面で経験が生かされた感覚はあります。

野口:久保さんは、とにかくスピードが早いんですよね。
入社から1年以内にピボットして教育事業の「CRGS」を正式スタートし、2024年にはデバイス事業「AMICIS」をブランドとして始動、そして2025年には「Xross Stars」を発表。TCG(トレーディングカードゲーム)事業へと戻ってきた。これまでのキャリアが、直接的にも間接的にも実務に生かされた結果だと思いますが、それにしてもここまでのスピードで新規事業を作っているのは久保さんだからこそだと思います。

久保:ありがとうございます。自分でも、感慨深いものがありますね。
新規事業が成功する確率は、一般的に10%もないと言われているので、緊張感もあります。だからこそ、Game&Co.はスピード感をもってどんどん挑戦しています。

選択してきたカオスが、自然とキャリアを繋いだ「コネクティング ザ ドッツ」

野口:僕と舩橋(Brave group 取締役 専務執行役員 COO)は、当時は海外のビジネス展開を主に担当して、星さんのやりたい領域の新規事業は任せるようにしていました。

そんな中で、Game & Co.が進めるesports関連の各種新規事業の延長に、当時のプロジェクトの中でもぶいすぽっ!とはうまくリンクするだろうと思っていました。

Game & Co.が多数展開している事業の中で、CRGSやCR Fortnite CAMPは社会性もあるし、とてもいいプロジェクトだったと思っています。

久保さんは、星さんの叶えたい新規事業の創出における実務をかなり巻き取ってくれたのではないかと考えていましたし、うまく久保さんのキャリアも絡めてこられているなと思っていました。

久保:そうですね。星さんは毎週新しいことをおっしゃるので(笑)、正直全てを叶えることは出来ていませんが、その中でも自分の経験を活かしてなんとかいくつか形に出来たと思います。とはいえ、まさかカードゲームが仕事になるとは想定外でした。

カードゲームで国内大会から世界大会まで経験したからこそ、大学生の頃にRAGEというesports事業にジョインできましたし、カードゲームのプロだった頃にマンツーマンコーチングをコーチ側として担当していたので、ゲームのコーチングとはどうあるべきかがある程度自分の中で見えていたんです。

そこは、CRGSの事業にダイレクトに活かすことができたと思いますし、カードゲーム関係のコネクションも多かったことから、TCGプロジェクトの立ち上げもスピーディーに行えました。これまでの縁が、少しの期間を空けて今の事業にまで生きてくるなんて、予想できることじゃなかったです。

野口:まさに「コネクティング ザ ドッツ(※1)」ですよね。

久保:そうですね。キャリアを正解にするためにも、がむしゃらに色々なことやってきて、その経験が繋がって現在地にたどり着いたという実感があります。

(※1)コネクティング ザ ドッツとは:「未来を見据えて点をつなぐことはできない。過去を振り返って、つながっていくことである」
“You can’t connect the dots looking forward. You can only connect them looking backwards.”
2005年のスタンフォード大学卒業式において、スティーブ・ジョブズによるスピーチで語られたメッセージ

プロジェクトへの熱意を絶やさない

野口:久保さんは、事業を成功させるために自身のリソース、キャリア、好きなこと、人脈など全てを集結していますよね。仲間集めはもちろんですが、プロダクトにおけるクオリティや、ゲームルールひとつをとっても魂を込めているのが伝わります。
実務ができる実力だけじゃなく、きちんと仲間を信じて任せることができるから、リーダー素養があるのだなと思っています。

久保:ありがとうございます。Xross Starsの立ち上げメンバーはほぼ全員自分のリファラル採用なんですが、その仲間集めも今までのキャリアや行動が繋がってきましたし、お互いによく理解しているからこそ安心して任せることが出来ました。

今注力しているTCG事業は、カードゲーム業界は新興産業ではなく30年目の業界ですし、競合も非常に強く、素晴らしいプロダクトが多いんです。
Xross Starsはまだまだスタートラインにたったばかりの挑戦者で、ユーザーの目もめちゃくちゃ厳しいですし、他のカードゲームプロダクトと当たり前に比べられます。
油断したら一瞬で負けると常に危機感をもちながらも、魂を込めてワクワクしながら緊張感を持って楽しんでいます。

野口:確かに。世間からはポケモンカードさんのような大手有名カードゲームと、同じ土俵で見られてしまいますよね。

久保:そうです。当然ながら、大手カードゲーム各社と比べられてしまうと、ビジネス規模など太刀打ちできないところもあるのですが、そうも言っていられないですよね。

Xross Starsのローンチについて、多くの協力のもと事業としてうまく開始できたと自負していますが、まだこれからだという危機感は大事にしています。
そして自分たちの組織の強みを理解して、ぶいすぽっ!で星さんから学んだランチェスター戦略(※2)でここからも攻めていきたいですね。

野口:この先は、プロジェクトメンバーたちがずっと熱狂し続けられるかどうかでしょうか。継続することは、いかに熱量を保てるかが重要ですね。
久保さんの中でどんな広がりを考えているんでしょうか?

久保:そうですね。自分たちとしても、大手カードメーカーと組むことなく、自分たちがメーカーになるという、通常ならありえない選択肢を形にできたところは本当に誇らしいと思います。オーナーシップをもって事業を推進できるからこそ、より良いプロダクトにしなければならないという責任感が強くあります。

この先は、もうすぐ発売する第三弾、そして今後の続弾や企画、お客様やタレントの方を含めてワクワクしたり熱狂したりするきっかけを持続的に作っていきたいです。

Xross Starsに参加するタレントさんをさらに増やして拡張性を示したいですし、プレイヤーがワクワクするような大きな大会や、イベントもやりたいです。

とにかく、自分たちもプレイヤーもタレントも、全員がXross Starsにワクワクして欲しい。
引き続きしっかりとアップデートして良いプロジェクトにしていきます。

(※2)ランチェスター戦略とは:限られた資源を勝てる一点に集中し、局地で優位を築きながら勝ち筋を広げていくマーケティング・競争戦略を指します。

Game & Co.が生み出していく新規事業は、Brave groupを支える次の柱へ

野口:Game & Co.といえば、AMICISも多数のアイテムを生み出しましたね。

久保:そうですね、1年で20近くのコラボがありました。「AMICIS」の名前は、ラテン語で「友人たち」を表すAMICUSという言葉を元に名付けました。

その名の通り、事業責任者の渡邉さんを中心にグループの会社や工場、タレントさんといった社内外をどんどん巻き込んで、爆速でPDCAを回しています。「圧倒的スピード」で、「枠を超え」て、「リスペクト・ベース」を大事にしながら数多くのコラボ相手と共創して、高品質なプロダクトを作っています。
さらに、キーキャップやマウスパッド、キーボードなど、いわゆるアクスタのような定番商品だけでない「新たな一手」に挑戦しながら、「創造性と経済性」を持って、価格にもこだわった、まさにBrave groupのバリューを体現した事業だと思っています。

野口:ファングッズでもなく、高価格帯のセレブ志向でもない。こだわりをすごく感じます。

AMICISは、IP事業における売上の中心になるコマースで、「今までこういうのなかったよね」という新しい発明をし続けている。

自社IPを持ちつつ他社IPでもマネタイズする「次世代のバンダイナムコ」のようだなと思っています。

久保:ありがとうございます。Game&Co.は、VSPO! GEARの企画開発や、AMICIS、TCGのXross Stars、CRGSなどの新規事業をIP Platformとして担っています。

「様々なIPと共に、新たな事業を作り続けられている」という自信を持って、これからも挑戦したいです。

野口:Xross Starsや、AMICISなどの事業を通じて、版権元さんが「Game&Co.と組めば、新しい商品・新しい活躍場所ができる」と思ってもらえるのは、Brave groupにとっても非常に重要だと感じています。

グループ全体として、VTuber事業に続く第二、第三の柱を作っていきたいからこそ、新規事業を作れる久保さんのような方がとても貴重です。

僕は久保さんに「星さんアイデンティティ」を体現する存在として、新規事業を生み出し続けるロールモデルになってくれることをことを期待しています。

久保:ありがとうございます。
改めて立ち返ると、バーチャルエンターテイメントのミッション「Move Emotion with Games」は、僕にとって非常に大事なキーワードでした。

野口:いいですよね。これは、星さんが長く大切にしている言葉でもあります。

久保:僕はサイバーエージェント時代には、RAGEという事業でShadowverseの大会を運営していたんですが、電車でプレイしている方々を日常的に見かけていましたし、RAGEという大会を通じて選手だけでなく視聴者の方や大舞台を目指すプレイヤーなど数多くの人の人生に大きな影響を与えているのを肌で感じたんです。
その時から、これからも圧倒的な体験価値を生み出したい。ユーザーが常にワクワクするような、感情が動くようなプロダクトを作り続けたいと思ったんです。

プロダクトを作り続けることは、正直ハードな局面も多いですが、どんな時期も自分やチームがワクワクすることを常に意識して、楽しくポジティブに取り組むことができましたし、ようやく成果も出てきました。今は現状に満足せず、次の事業を見据えて動いています。

野口:IP Platformの行っているプロジェクトは、Brave group全体としても挑戦しがいのある領域だと思っています。久保さんはこれから、どんな仲間と何を成し遂げたいですか。

久保:そうですね。みなさんそれぞれ色々な人生やキャリアがあると思いますが、今この時にBrave groupという同じ船に乗っているからには、共に働く皆さんと一緒にいい景色を見たいです。新規事業はどうしても様々な課題も増え、やるべきことも多数あるのですが、自分たちも全力で頑張っていきます。

皆で前を向いて進めていけるように、次の事業の柱を今後もIP Platform事業部として作っていきます。

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